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退職代行の料金を調べると、「1万円台」「2万円台」「5万円以上」とサイトによってバラバラで、どれを信じればいいのか迷います。安いところに頼んで失敗したくないし、かといって高い料金を払う必要があるのかも分かりません。
先に結論を書くと、退職代行の費用相場は平均で3万円弱です。ただ、選ぶときに見るべきなのは金額そのものより「会社と交渉できる運営元かどうか」です。料金の差は、そのまま「何を任せられるか」の差になっています。この記事では、帝国データバンクの調査をもとにした費用の目安、運営元ごとの違い、別料金になりやすい項目、状況別の選び方をまとめます。
退職代行の費用相場は平均約2万9,000円
帝国データバンクが2025年10月に公表した「退職代行サービス」動向調査では、全国で少なくとも52法人が確認され、利用料金の平均は2万9,410円でした。運営元別に見ると、弁護士法人の平均は約4万4,700円、民間企業の平均は約2万2,500円です。運営元の内訳は、民間企業が約6割、弁護士法人が3割強で、残りが労働組合などでした(帝国データバンクの調査を紹介する記事)。
労働組合が運営するサービスは、2万5,000円〜3万円前後と紹介しているメディアが多い一方、後述する公式サイトの料金では1万円台後半から設定しているところもあります。価格帯は民間企業に近い水準から3万円前後までで、弁護士法人の平均よりは低めです。弁護士については「5万円〜10万円」と書いているサイトもありますが、退職の連絡だけを頼むのか、未払い残業代の請求まで含めるのかで幅が出ます。上の調査の平均と合わせて、あくまで目安として見てください。
| 運営元 | 費用の目安 | 会社との交渉 |
|---|---|---|
| 弁護士法人 | 平均約4万4,700円(請求まで含むとさらに上) | できる(代理人として対応) |
| 労働組合 | 1万5,000〜3万円前後 | できる(団体交渉) |
| 民間企業 | 平均約2万2,500円 | できない(意思の伝達のみ) |
料金は各社が改定することがあります。実際に申し込むときは、公式サイトで最新の金額とプランの中身を確認してください。
運営元によって「できること」が違う
退職代行の費用相場に差が出るのは、運営元ごとに法律上できる範囲が決まっているからです。
弁護士法人の退職代行
弁護士は依頼者の代理人として、会社と交渉できます。退職日の調整や有給消化の交渉に加えて、未払いの残業代の請求、パワハラに対する慰謝料の請求など、法律上のトラブルが絡む場面にも対応できます。ここまで任せられるのは弁護士だけです。費用が高めになりやすいのは、この対応範囲の広さが理由です。
労働組合の退職代行
労働組合は団体交渉権を持っているため、有給の消化や退職日について会社と交渉できます。料金は民間企業に近い水準から少し上がる程度で、弁護士よりは抑えやすい価格帯です。ただし、未払い賃金の請求を代理して裁判や調停に進める、といった法律事務は組合の範囲外です。そこまで必要になりそうなら弁護士を選ぶことになります。組合に加入する形になるので、組合費が別にかかる場合もあります。
民間企業の退職代行
民間企業ができるのは、退職の意思を本人の代わりに会社へ伝えるところまでです。弁護士ドットコムの解説でも、意思を伝えるだけなら違法ではない一方、退職日や有給の条件を会社と交渉すると、弁護士法第72条が禁じる「非弁行為」にあたる可能性があるとされています。会社が「本人と話さないと認めない」と返してきたときに、民間企業は交渉ができないため、対応が難しくなることがあります。
基本料金のほかに、別料金になりやすいもの
表示されている料金が「全部込み」とは限りません。申し込む前に次の点を確認しておくと、あとから想定していなかった請求が来るのを避けやすくなります。
- 労働組合の加入料・組合費が、基本料金とは別にかかるか
- 未払い賃金や残業代を回収する場合に、成果報酬がかかるか(回収額の20%前後と紹介されることが多い)
- 転職サポートや書類のやり取りなど、追加のサポートが有料か
- 正社員・アルバイトなど雇用形態によって料金が変わるか
- 支払いが前払いか後払いか、退職できなかった場合の返金の扱いはどうなっているか
後払いや返金保証の有無は業者によって違います。「返金保証」とうたっていても条件が付いていることがあるので、条件の中身まで読んでおきましょう。
退職代行の費用相場だけで選ぶと起きやすいこと
いちばん多い失敗は、安さで民間企業を選んだあとに、交渉が必要になってしまうパターンです。会社に「有給は使わせない」「退職日は認めない」と言われても、民間企業は交渉ができません。そこで弁護士や労働組合に頼み直すと、最初に払った料金に加えて二重の費用がかかります。
「連絡を代わりにしてもらうだけで済むのか、交渉が必要なのか」を最初に見極めておくと、結果的にいちばん安く済みます。迷ったときは、民間企業より労働組合以上を選ぶ、くらいの考え方で大きく外れません。
料金が極端に安い場合は、運営元と対応範囲を確認してください。運営している会社名や組合名が書かれていない、交渉できるのかを聞いても答えてもらえない、といったときは避けたほうが無難です。
状況別・どの運営元を選ぶか
| 状況 | 向いている運営元 | 理由 |
|---|---|---|
| 退職の連絡だけ代わってほしい。会社との揉めごとはなさそう | 民間企業・労働組合 | 連絡の代行だけなら足りる |
| 有給をできるだけ消化したい。退職日を調整したい | 労働組合・弁護士 | 会社との交渉が必要になる |
| 未払い残業代や慰謝料も請求したい | 弁護士 | 請求や代理は弁護士の領域 |
| 会社から損害賠償を口にされている | 弁護士 | 法的な反論が必要になる |
| うつ・適応障害で動けない | 労働組合・弁護士 | 交渉も含めて任せたほうが負担が少ない |
未払い残業代の請求を考えているなら、未払い残業代の請求方法で証拠の集め方と時効も確認しておくと、依頼先に伝えやすくなります。
4つの退職代行の料金(公式サイトで確認した内容)
この記事で紹介する4つのサービスについて、2026年10月6日時点で各公式サイトに書かれていた料金を整理します。税込表記で、金額やプランは変わることがあるため、申し込む前に最新の公式サイトを確認してください。
| サービス(運営元) | 料金 | 公式サイトの記載 |
|---|---|---|
| ガイア(弁護士法人ガイア綜合法律事務所) | 25,300円・55,000円・77,000円の3プラン | 25,300円は「退職を伝えるのみ」のプランで、公務員・業務委託・役員は選べません。55,000円は退職書類が届かないときなどに間に入るアフターフォロー付き。77,000円は個人事業主や借金の交渉など幅広い雇用形態に対応するプランです。未払い給与・残業代の請求は、獲得できた場合のみ成功報酬20〜30%がかかると記載されています |
| 退職代行Jobs(株式会社アレス/連携労組は合同労働組合ユニオンジャパン) | 27,000円。組合費込みの安心パックは29,000円 | 後から組合に加入する場合は加入金2,000円と組合費2,000円がかかります。「退職できなければ全額返金」の記載あり。支払いはカード・コンビニ・PayPay・銀行振込・現金翌月払い(簡単な審査あり) |
| ネルサポ | 15,000円(リピーター限定は20,000円) | 「追加料金なし」「退職できなかった場合は全額返金」の記載あり。支払いは銀行振込とクレジットカード。運営元の種別は「労働組合で適正に円満退職へ」とありますが、法人名などの詳細は記載がありませんでした |
| 円満退職ユニオン(労働組合法人) | 加入時16,000円(加入費3,000円・組合活動費1,000円・組合費2か月分12,000円) | 組合費は月6,000円。「追加費用なし・加入後1年間サポート」の記載あり。退職日の調整や有給取得についての協議に対応するとされています |
同じ「労働組合が関わる退職代行」でも、加入費・組合費の扱いや返金の条件はサービスごとに違います。表の金額だけで比べず、総額と条件を並べて見てください。ガイアのように弁護士法人でも、いちばん安いプランは退職の連絡だけで、交渉やアフターフォローは上のプランになります。自分の状況でどのプランが必要になるのか、相談時に総額まで聞いておくと安心です。
交渉まで任せられる退職代行を探すなら
会社との交渉が必要になりそうな場合に、弁護士や労働組合が関わる退職代行の選択肢を挙げておきます。どれも料金やプランの内容は変わることがあるため、申し込む前に各公式サイトで確認してください。
👉 交渉や有給消化まで任せたい場合の選択肢
弁護士法人が運営する退職代行【ガイア法律事務所】
弁護士監修・労働組合連携の退職代行【退職代行Jobs】
退職代行【ネルサポ】
退職代行【円満退職ユニオン】
申し込む前に確認しておきたいこと
どの運営元を選ぶ場合でも、申し込む前に次の点は確かめておきましょう。
- 運営している会社名・組合名・事務所名が公式サイトに明記されているか
- 有給消化や退職日の交渉に対応しているか(対応の可否が書かれているか)
- 料金の総額がいくらになるのか、追加費用が出る条件は何か
- 相談方法と対応時間(LINE・電話・メールなど)
- 会社に連絡してもらう範囲(有給の希望、借りている物の返却、離職票などの書類の送付先)
有給の残り日数や、会社から借りている物の一覧は、申し込む前に手元で整理しておくとやり取りが早く進みます。流れや準備の詳細は退職代行を使っていい人・ダメな人にまとめています。
自分で辞める方法も、先に確認しておく
退職代行は、どうしても自分で言い出せないときの手段です。上司と普通に話せる関係で、退職の意思を伝えれば受け入れてもらえそうなら、自分で退職届を出すほうが費用はかかりません。引き止められたときの切り返し方は退職を伝えたら引き止められた時の対処法に、会社が退職を認めない場合の手順は会社が退職を認めてくれないときの対処法にまとめています。
期間の定めのない雇用契約なら、退職を申し出てから2週間で契約が終了すると民法第627条に定められています。会社が認めないと言っても、法律上は辞める権利があります。そのうえで「自分では動けない」「連絡を取るのが怖い」という状況なら、退職代行を検討する価値があります。
退職後のお金も、あわせて考えておく
退職代行の費用は、辞めたあとの生活費とのバランスで考えておくと失敗しにくくなります。会社を辞めたあとは、収入が途切れるあいだの生活を支える制度があります。離職後の手続きは失業保険のもらい方と申請の流れを、病気やうつで働けない場合は傷病手当金の申請方法を確認してください。退職代行を使う場合も、離職票などの書類は会社から郵送してもらう形になるので、申し込み時に送付先を伝えておくと、失業保険の手続きが遅れにくくなります。
よくある質問
Q. 退職代行の料金は後払いにできますか?
業者によって違います。後払いに対応しているところもあれば、前払いのみのところもあります。後払いの場合は審査があることもあるため、支払い方法は申し込み前に公式サイトで確認してください。
Q. 申し込んだあとに追加料金を請求されることはありますか?
基本料金に含まれる範囲を超えたときに、別料金になることがあります。たとえば、労働組合の組合費、未払い賃金を回収したときの成果報酬などです。何が基本料金に含まれて、何が別料金なのかを、申し込む前に聞いておくと安心です。
Q. 退職代行を使えば、有給は消化できますか?
有給休暇の取得は労働者の権利です。ただ、会社が応じないときに交渉できるのは、弁護士か労働組合です。民間企業は退職の意思を伝えることしかできないため、有給消化まで確実に進めたいなら、交渉できる運営元を選ぶほうが確実です。有給を拒否されたときの対処は有給休暇を拒否されたときの対処法も参考にしてください。
まとめ
退職代行の費用相場は、帝国データバンクの調査で平均2万9,410円でした。民間企業は平均約2万2,500円、弁護士法人は平均約4万4,700円、労働組合は1万5,000〜3万円前後が目安です。料金の差は「会社と交渉できるかどうか」の差なので、金額だけで決めず、自分の状況で交渉が必要かどうかを先に考えてください。有給の消化や残業代が絡むなら、労働組合か弁護士のどちらかです。申し込む前に、運営元・対応範囲・総額・支払い方法の4点を公式サイトで確認しておけば、後悔は減らせます。




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